低地土

現世の河成、海成、湖沼成沖積低地に分布する土壌である。台地の周辺部では台地土壌の上に「沖積堆積物」が覆っていることがあり、また無機質の「沖積堆積物」と「泥炭物質」とが重なり合うこともある

細粒質普通灰色低地土 茨城県つくばみらい市
茨城県つくばみらい市の沖積低地

低地土は、主に河川周辺に分布しており、河川氾濫により堆積した土砂等が低地土の主な母材である。河川氾濫堆積物の度重なる付加により、土壌母材は常に新しい状態が保たれ、土壌養分などは豊富であることが多く、一般的には肥沃な土壌として知られる。

図 低地土の分布状況(赤色)

低地土の分布する面積は国土の14%程度であり、農耕地では主に水田として広く利用されている。わが国の水田の約70%は低地土が分布している。

低地土群の分類

低地土は土壌の発達程度、土壌の水分環境(地下水位)の違いから、以下の5つの土壌群に分けられる。

土壌として低地水田土(F1)、過湿なグライ低地土(F2)および灰色低地土(F3)、乾燥した褐色低地土(F4)、土壌として未熟な未熟低地土(F5)。