グライ低地土

低地土大群の中で、最も地下水位が高く、年間を通じてほとんど水に飽和されたグライ層が50cm以内に出てくる土壌。

グライ土 岡山県 玉野市八浜町
写真;現地土壌断面写真

氾濫原の後背湿地、三角州、潮汐平野(干潟)などに広く分布する。地下水位が高く、一般に、排水不良である。ほとんどが水田として利用されている。農業利用上、排水を改善するため、暗渠排水が実施されているところが多い。

図 グライ低地土の分布状況

グライ低地土の分布する面積は国土の5%程度であり、農耕地では主に水田として広く利用されている。わが国の水田の約26%はグライ低地土が分布している。

グライ低地土群の分類

グライ低地土は土壌の水分環境や火山灰の堆積環境の違いから、以下の6つの土壌亜群に分けられる

(1)硫酸酸性質グライ低地土(F2j7):

硫化物を含む湖沼成・海成堆積物から成り、強い酸性を示すグライ低地土。

(2)泥炭質グライ低地土(F2e6):

表層100cm以内に積算して25cm以上の「泥炭物質」からなる層があるグライ低地土。

(3)腐植質グライ低地土(F2h3):

表層に有機物を多く含む「腐植質表層」または「多腐植質表層」をもつ グライ低地土。

(4)表層灰色グライ低地土(F2a6):

土壌表面から25-50cmの間にグライ層よりも酸化的な「地下水湿性特徴」が現れるグライ低地土。

(5)還元型グライ低地土(F2a1):

土壌表面から25cm以深のグライ層に「含む」以上の斑鉄が無いグライ低地土。湿田などにその分布がよく認められる。

(6)斑鉄型グライ低地土(F2a2):

土壌表面から25cm以深のグライ層に「含む」以上の斑鉄があるグライ低地土。還元型グライ低地土よりもやや酸化的である。