褐色低地土

沖積低地の中では最も乾いた土地にある、黄褐色の次表層を持つ土壌。

中粒質普通灰色低地土の土壌断面写真(左)と調査地の風景写真(右) 茨城県筑西市

自然堤防、扇状地などの地下水位が低い地帯に主として分布する。沖積地の中の微高地にあるため、畑地または集落となっていることが多い。

図 褐色低地土の分布状況

褐色低地土の分布する面積は国土の2%程度であり、農耕地では主に畑(普通畑、牧草地、樹園地)として広く利用されている。わが国の畑の約9%は褐色低地土が分布している。

褐色低地土群の分類

褐色低地土は土壌の水分環境などの違いから、以下の4つの土壌亜群に分けられる。

(1)湿性褐色低地土(F4a3):

土壌表面から75cm以内にグライ層よりも酸化的な「地下水湿性特徴」が現れる褐色低地土。

(2)腐植質灰色低地土(F4h3):

表層に有機物を多く含む「腐植質表層」または「多腐植質表層」をもつ褐色低地土。

(3)水田化褐色低地土(F4c1):

作土下方まで灰色化し斑鉄をもつ褐色低地土。

(4)普通褐色低地土(F4z1):

その他の褐色低地土。