暗赤色土

暗赤色の次表層をもつか、石灰岩あるいは「石灰質堆積物」に由来する土壌で塩基性の土壌である。母岩となる塩基性の強い岩石(蛇紋岩、石灰岩など)に強く影響を受けた土壌。

典型粘土集積石灰性暗赤色土 鹿児島県喜界町
暗赤色土とサンゴ石灰岩 鹿児島県喜界町

 暗赤色土は、一般に有機物含量が低く、粘土含量が高く、有効土層が浅い。基岩が玄武岩、安山岩の場合、風化または腐朽した礫を多く含み、石灰岩の場合は干害の影響を受けやすい。化学性については、土壌pHや交換性塩基含量は、母材の種類による影響の差が大きく、塩基性から酸性まで幅広い。

 暗赤色土は、山地の一部、丘陵地や石灰岩台地に分布する。分布面積はあまり広くなく、きわめて点在的であるが、北海道と九州・沖縄には比較的多い。

図 暗赤色土の分布状況(赤色)

暗赤色土の分布する面積は国土の0.5%程度であり、農耕地では普通畑として広く利用されている。

暗赤色土大群の分類

暗赤色土は石灰岩あるいは「石灰質堆積物」の有無と次表層の土壌pHの高低により3つの土壌群に分けられる。

石灰岩あるいは「石灰質堆積物」に由来し、次表層のすべての亜層位でpH5.5以上、または塩基飽和度が50%以上

石灰性暗赤色土(E1)

次表層のうち、pH5.5未満、または塩基飽和度が50%未満の亜層位が一つ以上存在

酸性暗赤色土(E2)

次表層のすべての亜層位でpH5.5以上

塩基性暗赤色土(E3)