褐色森林土
火山灰の影響の少ない山地・丘陵地に分布する褐色あるいは黄褐色の「風化変質層」をもつ土壌。
「風化変質層」:風化を受けて色が変わったり粘土が多くなったり塊状の構造が出来たりした層
火山灰の影響の少ない山地・丘陵地に分布する褐色あるいは黄褐色の「風化変質層」をもつ土壌。
「風化変質層」:風化を受けて色が変わったり粘土が多くなったり塊状の構造が出来たりした層
褐色森林土は、林地では有機物に富む暗色の表層をもつが、樹園地や畑地などでは、有機物含量は一般に少なく、表層も薄い。次表層は、遊離酸化鉄により一様に褐色あるいは黄褐色を呈し、表層から次表層への粘土や遊離鉄の移動・集積は明瞭ではない。
褐色森林土は、山地、丘陵地に広く分布するほか、北海道・東北地方では洪積台地にも分布する。関東、東山地域にはやや少ないがその他は全国的に分布しており、とくに近畿以西に多く見られる。
褐色森林土群は、立地環境、土壌pH、腐植の集積状態、湿り具合や土色の違いから、以下の9つの土壌亜群に分けられる。
(1)水田化褐色森林土(I1c1):土壌表面から25㎝以内に、積算して厚さ10㎝以上の「泥炭物質」からなる層をもつ褐色森林土。
(2)湿性褐色森林土(I1a3):土壌表面から75㎝以内に「表面水湿性特徴」または「地下水湿性特徴」を示す層の上端が現れる褐色森林土。
(3)塩基型褐色森林土(I1j8):次表層の全ての亜層位でpH(H2O)が6.5以上である褐色森林土。
(4)ばん土質褐色森林土(I1k2):土壌表面から50㎝以内にリン酸吸収係数1000mgP2O5/100g以上(リン酸保持量60%以上)の層が25㎝以上ある褐色森林土。
(5)腐植質褐色森林土(I1h3):「腐植質表層」または「多腐植質表層」をもつ褐色森林土。
(6)ポドゾル化褐色森林土(I1k3):「ポドゾル性集積層(断面形態)」または「ポドゾル性集積層(分析値)」をもつ褐色森林土。
(7)下層赤黄色褐色森林土(I1d4):土壌表面から75cm以内に「赤黄色特徴」を示す「風化変質層」または「粘土集積層」をもつ褐色森林土。
(8)台地褐色森林土(I1i1):洪積世堆積物(更新世の河成、海成、湖沼成の古い未固結堆積物) を母材とする褐色森林土。
(9)普通褐色森林土(I1z1):その他の褐色森林土。