風化変質赤黄色土

「粘土集積層」をもたず、「風化変質層」をもつ赤黄色土。この土壌群は、主に、本州の中位段丘から高位段丘上および南西諸島一帯に分布する。

「風化変質層」:風化を受けて色が変わったり、粘土が多くなったり、塊状の構造が出来たりした層。

静岡県浜名湖近くの傾斜地
細粒質普通風化変質赤黄色土 香川県善通寺市[モノリス17]
図 風化変質赤黄色土の分布状況

風化変質赤黄色土は、一般に有機物の蓄積が少なく、塩基飽和度が低く、風化の進んだ赤色または黄色の土壌である。

風化変質赤黄色土は、農耕地では水田、普通畑、樹園地として広く利用されている。

風化変質赤黄色土群の分類

風化変質赤黄色土群は、土壌の水分状況、腐植の集積状態や土色から、以下の8つの土壌亜群に分けられる。

(1)水田化風化変質赤黄色土(G2c1):

「水田鉄集積層」をもつ風化変質赤黄色土。

(2)灰白化風化変質赤黄色土(G2j5):

「漂白層」をもつ風化変質赤黄色土。

(3)疑似グライ化風化変質赤黄色土(G2b1):

土壌表面から75㎝以内に「疑似グライ層」の上端が現れる風化変質赤黄色土。

(4)湿性風化変質赤黄色土(G2a3):

土壌表面から50-75㎝に「地下水湿性特徴」を示す層の上端が現れる風化変質赤黄色土。

(5)腐植質風化変質赤黄色土(G2h3):

「腐植質表層」または「多腐植質表層」をもつ風化変質赤黄色土。

(6)赤色風化変質集積赤黄色土(G2k1):

湿状態の土色が赤色の「風化変質層」をもつ風化変質赤黄色土。

(7)ばん土質風化変質赤黄色土(G2k2):

土壌表面から50㎝以内にリン酸吸収係数1000mg P2O5/100g以上(リン酸保持量60%以上)の層が25㎝以上ある風化変質赤黄色土。

(8)普通風化変質赤黄色土(G2z1):

その他の風化変質赤黄色土。