アロフェン質黒ボク土
最も普通に見られる黒ボク土。主として火山放出物を母材とし、良好な排水条件下における風化によって生成した結晶度の弱い粘土鉱物(アロフェン、イモゴライト)と腐植の集積によって特徴づけられる土壌。
最も普通に見られる黒ボク土。主として火山放出物を母材とし、良好な排水条件下における風化によって生成した結晶度の弱い粘土鉱物(アロフェン、イモゴライト)と腐植の集積によって特徴づけられる土壌。
一般的に火山灰から生成される粘土鉱物はアロフェンやイモゴライト等の非晶質鉱物が多い。火山灰が風で運ばれて積もる(風積)という性格があるので、新しい沖積地や急傾斜地を除いて、地形を問わず分布している。
アロフェン質黒ボク土の分布する面積は国土の19%程度であり、主に北海道南部から東部、東北地方東部、関東地方全域、および九州地方東部に広く分布している。農耕地では畑(普通畑、牧草地、樹園地)として広く利用されており、畑面積の33%を占めている。
アロフェン質黒ボク土は土壌の水分環境や火山灰の堆積環境の違いから、以下の7つの土壌亜群に分けられる。
(1)水田化アロフェン質黒ボク土(D6c1):水田利用による湛水期間中に代かき層から還元溶脱した鉄が下部の酸化的な層で酸化沈殿して形成された「水田鉄集積層」をもつアロフェン質黒ボク土。
(2)下層台地アロフェン質黒ボク土(D6d1):土壌表面から50cm以内に黒ボク土とは異なる台地土壌の上端が現れるアロフェン質黒ボク土。
(3)下層低地アロフェン質黒ボク土(D6d2):土壌表面から75cm以内に積算して25㎝以上の河川氾濫堆積物(沖積堆積物)から成る層をもつアロフェン質黒ボク土。
(4)淡色アロフェン質黒ボク土(D6h2):表層の有機物含量は低く、土色は淡いアロフェン質黒ボク土。
(5)厚層アロフェン質黒ボク土(D6h1):表層に有機物を多く含み、かつ、層の厚さが50㎝を超える「腐植質表層」または「多腐植質表層」をもつアロフェン質黒ボク土 。
(6)埋没腐植質アロフェン質黒ボク土(D6h4):過去に表層であった層で、かつ、有機物が蓄積した「埋没腐植層」の上端が土壌表面から50cm以内に現れるアロフェン質黒ボク土。
(7)普通アロフェン質黒ボク土(D6Z1):その他のアロフェン質黒ボク土。