グライ黒ボク土

地下水位の高い場所にある黒ボク土で、一年を通じて水で飽和されている層が50cm以内に出てくる土壌。黒ボク土の分布域を刻む谷底、谷地、沖積低湿地などの地下水位の高いところに分布している。

泥炭質グライ黒ボク土 茨城県つくば市 地下水位が高いため、表層下30㎝付近から強い還元状態(酸素が無い)を示す層がある。写真の土壌断面の表層下40㎝以深には湿性植物の遺体からできた泥炭層が現れる。
グライ黒ボク土が分布する谷津田の風景 茨城県つくば市 黒ボク土が分布する台地を刻む谷津の付近に分布する。
図 グライ黒ボク土の分布状況

グライ黒ボク土の分布する面積は国土の1%未満であり、その大部分が水田として利用され、関東以北の谷津田に分布する。

グライ黒ボク土群の分類

グライ黒ボク土はその立地環境の違いから、以下の3つの土壌亜群に分けられる。

(1)泥炭質グライ黒ボク土(D2e6):

土壌表面から100㎝以内に積算して厚さ 25㎝以上の湿生植物の遺体から成る層をもつグライ黒ボク土。

(2)厚層グライ黒ボク土(D2h1):

表層に有機物を多く含み、かつ、層の厚さが50㎝を超える「腐植質表層」または「多腐植質表層」をもつ グライ黒ボク土。

(3)普通グライ黒ボク土(D2z1):

その他のグライ黒ボク土。