ポドゾル

漂白した層と腐植または鉄・アルミニウムが集積した層の層序をもつ土壌。自然状態では、漂白層の上に粗腐植層が存在しているのが一般的である。

岩手・秋田県境の山頂部
典型湿性ポドゾル 北海道幌延町(北大天塩演習林) (表層下75cm以内に)「地下水湿性特徴」を示す層が認められる。
図 ポドゾルの分布状況

 ポドゾルは、粗腐植層から出てくる有機酸やフルボ酸によって直下の層の鉄やアルミニウムが溶け、下層に移動し、再び沈殿することにより集積層を形成する。化学性は、一般に強酸性を呈し、塩基類に乏しい貧栄養な土壌である。

 ポドゾルは、山地の一部、丘陵地や石灰岩台地に分布する。北海道・東北・中部地方の山地に主に分布するが、一部は海岸砂丘地にも発達している。

ポドゾル群の分類

ポドゾル群は、有機質層の有無、湿り具合の違いから、以下の5つの土壌亜群に分けられる。

(1)表層泥炭質ポドゾル(C1e5):

土壌表面から25㎝以内に、積算して厚さ10㎝以上の「泥炭物質」からなる層をもつポドゾル。

(2)湿性ポドゾル(C1a3):

土壌表面から75㎝以内に「地下水湿性特徴」を示す層または「グライ層」の上端が現れるポドゾル。

(3)表層疑似グライ化ポドゾル(C1b2):

土壌表面から50㎝以内に「疑似グライ層」の上端が現れるポドゾル。

(4)疑似グライ化ポドゾル(C1b1):

土壌表面から50-75㎝に「疑似グライ層」の上端が現れるポドゾル。

(5)普通ポドゾル(C1z1):

その他のポドゾル